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奥井 英作

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資金会計原論Theory of Cash by Funds18 G―W―G’を見直しデフレシパイラル脱却を

2010年1月1日11:08:24

資金会計原論Theory of Cash by Funds18  GWG’を見直しデフレシパイラル脱却を

謹賀新年

緑 デフレ・スパイラルの真っ只中で迎える新年ね、パパ。

父 不況期の景気刺激策として金融が緩和され、低金利の資金が提供される。需要と供給の関係から、貸し出しは増えるはずですが、なかなか資金は市中に出回らない。

 リーマンショックでほとんどの企業が打撃を受けた。その赤字はオーナーズエクイティが減ったことを意味するから、増資による補填が考えられますが、既存株主の持分希薄化がブレーキとなるので新規投資に関連した借入金登場の余地がある。中小企業は既にオーバーローンで、金融が緩和されても新たな返済と金利の負担を考えると、うかつに新規借入に手をだせない。こんな立ちすくんだ状況の中で、デフレスパイラルは進行し、景気回復の兆しは見えてこない。

 かつてカール・マルクスは資本の循環をG(貨幣)―W(商品)―G’(貨幣)で説明した。G’G=⊿G(利潤)です。我々は利益ではなくCashの増えた額⊿Gがなければ資本主義は成り立たないと考えます。プラス⊿Gは給料が支払われ、配当や金利が支払われた残高です。この残高から借入金の返済や再投資が行われます。-⊿Gだと借入金の返済もできず、再投資もできません。オーナーズ・エクイティは欠けこみます。-⊿Gは債務超過への一里塚です。

 デフレ・スパイラルになると粗利益率が減り、給料の支払も困難になり、配当は勿論、金利の支払も滞り、悪循環が始まるのです。給与が減ったり人減らしにあったり、配当が無くなり、金利支払いもままならなくなると、消費が減り景気がさらに悪くなります。そこでモラトリアム法案が登場してきます。これは緊急の炊き出しと同じで助かる人も多いのですがデフレ脱却の根本的対策ではありません。⊿Gが大きくならないからです。

 景気浮揚策としてとられている政策は金融緩和と低金利政策で市中に金を満たすことですが、あまり効果が挙がっていません。事業経営者の脳裏にはアイデァが充満しているのにアイデァが活きて来ないのです。リーマンショックで自己資本は減少し、新たな借入による事業展開に結びつかないのです。これではデフレ・スパイラルから脱却できません。

 これを資本主義の終焉とみて、新たなパラダイムを目指すのなら話は別ですが、今こそ迂遠ですが資本主義の本質に目覚め⊿Gを大きくしていくことです。資本主義の本質は貨幣(G)が貨幣(G’)を産むことです。そのモメントとなるのが金利です。金利を正常化することです。預金には当座預金、普通預金、定期預金等ありますが、1,400兆円と言われる貯蓄額が、年平均3%で回ったら、42兆円が国民の手許に入ります。源泉税を取られるかも知れませんが、源泉税は税収であり、残りの金は元本が減らないので、自由に使えます。消費が増えます。デフレ・スパイラル脱却の起爆剤となります。

 良い政策にも必ずマイナスの反面があるものです。真っ先に考えられるのは新規事業計画をする企業に与える影響です。それについてはDESDead Equity Swap)や利子補給が考えられますが、デフレ・スパイラル脱出政策より、実行しやすく効果を挙げやすいと思います。

こような不景気の時代に金利を下げ、潤沢な資金を市中に供給することを当事者は当然のことと考えます。利子については議論しだすと経済学説も多岐に渉っていますが、しかし私は利子率の正常化が景気回復への近道であり資本主義の本道だと思っています。貨幣(G)により大きな貨幣(G’)を産ますことです。低金利、金融緩和という常識を打ち破る勇気が必要です。G’が増え、消費が増え、株価が上昇しキャピタルロスが減ってくればデフレ・スパイラル脱出です。

          たまゆらや破魔矢の鈴の遠ざかる