資金会計原論 25。18 10年間を振り返る
緑 イメルト初期の自己資本は1.5倍に、借入金は1.2倍になったのね。
父 イメルト氏は巨額の投資をしているが借入金はあまり増えていない、GE社の資本金勘定を手許のアニュアル・レポートで調べてみると
1961年の447百万ドルから2006年の669百万ドルと45年間で約50%増えただけである。借入金も払込資本金もあまり増えないのに多額の投資ができたのは、GEが雪だるま式に増えた⊿G(内部留保)を再投資したことに他ならない。
耳底に残るソポラノ夜の新樹
GE社Common stock勘定(資本金勘定)推移 (単位:百万ドル)
| 1961 |
1966 |
1970 |
1975 |
1979 |
1987 |
1994 |
2000以降
|
| 447 |
456 |
481 |
469 |
579 |
584 |
594 |
669 |
資金会計原論 25。19 10年間を振り返る
緑 GEの借入は額においても、返済においても全く問題ないと思われるけど?
父 GE社の財務レバレッジはこの10年は1.5である。極めて健全である。4月24日の
資金会計原論 25。15を見てごらん。Primary Balanceはイメルト初期の3期は赤字で借入金は急増した(資金会計原論 25。17 参照)。資金の成長よりも投資に賭けたんだ。資金会計原論 25。17の表の長短借入金を長期と短期に分ける。
夜の新樹友はパリーを歩むらむ
資金会計原論 25。20 10年間を振り返る
緑 この表には2/12期の短期借入金に水色がついているのは何故?
父 2002年は短期資金であるCPによるやり繰りについて市場の批判を受けた。2003年にはこの短期借入金は長期借入金にシフトされた。
緑 2002年から借入金合計が増えているけど、返済に不安はないの?
父 財務レバレッジが1.5だから、自己資金と他人資金とのバランスからみるかぎり、健全ということができるが、一応緑の問いに答えよう。
緑 有難うございます。
旅立ちや雨の新樹の赤煉瓦
資金会計原論 25。21 10年間を振り返る
緑 前日の表を理解するに2007年10月のブログを参照していただくといいわね。
父 それはいいコメントだね、緑。借入金返済年数を10年と仮定して、長短借入金合計の10分の1を年間返済額として返済能力を見てみる。この10年間の返済額は減価償却額の範囲内なので、返済に無理はない。返済額に支払利息を加えると2006年は減価償却額を超える。GEにとって問題はないが、Primary balanceも回復した最中、サブ・プライム・ローンに関連して、2008年第1四半期は前年同期より5,8%の減益となった。事業には何時不幸な外的要因が起こるかわからない振り返った10年を基にこれから積みあがっていくGEの成果を楽しみにしている。
そよ風や故郷の蝶触れてゆく
資金会計原論 26 ニイウスコー民事再生法申請
緑 5月1日日経11面に東証2部上場のニイウスコー、民事再生法を申請、子会社を含め負債558億円過去5期の決算訂正のという記事があるけど、資金会計の目でこれを解説して、パパ?
父 タイムリーな提案だね、緑。06年6月期までの当期利益は順調に伸びてきたが07年6月期は302億円の赤字を計上した。そして07年6月期まで過去5期にわたる決算を訂正したというから、順調と見えた06年6月期までの3期を分析し不安の種を探ってみよう。
緑 どんな結果がでるか楽しみだわ、パパ。
初夏の銀座眩しき白き肌
資金会計原論 26。1 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月12日06:40:33
資金会計原論 26。1 ニイウスコー民事再生法申請
父 06年6月期に終わる3期を集中的に分析するのだが、これから始める論点となる数字を理解するために、7年6月期に終わる7期の一覧表を載せる。ブログの表をクッリクすると拡大された表が現れる。プリントして、これからの話の資料とすると便利だよ、緑。
保険屋来初夏の日の昼下がり 5/12
資金会計原論 26。2 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月13日08:08:36
資金会計原論 26。2 ニイウスコー民事再生法申請
緑 この会社は過去7年を一覧してみると2003年まではおおむね順調で2004年から借入金が現れ2005年からPrimaryBalanceが赤字となり2007年には実質損益資金(Cash利益)が赤字となり、真正損益資金(オーナーズエクイティ)も赤字(債務超過)となったのね。
父 よくポイントを掴んだね、緑。日経の記事によれば、「07年6月期まで過去5期にわたる決算を訂正した」とあるので緑の指摘は粉飾による歪が拡大した軌跡ということができる。粉飾をすると何故歪が拡大するのか考えよう。
初夏や有酸素運動ほどほどに
資金会計原論 26。3 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月14日06:56:16
資金会計原論 26。3 ニイウスコー民事再生法申請
緑 ニイウスコーのように配当をする会社の場合、歪は大きくなるんじゃない?
父 そうだ。ニウスコーは2003年から2007年の5年間に粉飾しなければ支払わなくて済んだと思われる配当、役員賞与、粉飾による法人税等(見積もり)の合計は9,327百万になる。粉飾はわりのあわない取引だ。粉飾の規模は期を追うごとに大きくなる。5月12日の表の最下行を見てごらん。
そよ風を入れる窓なき冷房車
資金会計原論 26。4 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月15日09:33:00
資金会計原論 26。4 ニイウスコー民事再生法申請
緑 ここでNIWSCOの資金状態推移グラフを見せて、パパ?
筋肉は男の誇り夏祭

このグラフから事業年度が消えているが、左から2001年6月で右側の2007年6月に終わっている。このグラフをクリックすると拡大されるので、プリントしてこれからの記事をご覧いただく際に参考にして下されば幸いです。
26。5 資金会計原論 26ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月16日08:38:07
26。5 資金会計原論 26ニイウスコー民事再生法申請
父 2004年まで損益資金は月商の下に位置していた。2005年から月商の上に損益資金の頭がでた。2005年から粉飾が顕在化したと思われる。これはNIWSCOの体質の変化を示すもので、どの企業も損益資金が月商から頭だしをしたら、粉飾の顕在化ということはできない。折れ線グラフの三つ目のポイント(黄丸の一つ手前)である実質損益資金がそこそこの高さに位置している。このような一応よいと言える企業が何故巨額の額の現金預金を次期に繰越す必要があるのだろうか。損益資金<現金預金 は猜疑心を起こすべき要注意信号である。
緑 そう言えばアソシエント・テクノロジー社も 損益資金<現金預金 だったわね。
木下闇この木なんの木気になる木
資金会計原論 26.5 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月19日06:41:16
資金会計原論 26.5 ニイウスコー民事再生法申請
父 各期のグラフの3番目までが(損益資金、売上仕入資金、棚卸資産)ビジネスサイクルである。NIWSCOのビジネスサイクルは極めて小さく、増資と借入金で固定投資を賄い多額の現金預金を残している。ことに2005年までは多額の現金預金を残すことが目的ではないかとさえ思える。2006年には多額の固定投資が行われた、結果的に見れば最後の悪あがきであった。2007年は黄丸がゼロ以下に落ち込み債務超過となり万事休す。
緑 資金状態推移グラフはドラマを見るみたいね、興味深いわ。
女等の頂点近し御輿来る
資金会計原論 26.6 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月20日07:52:00
資金会計原論 26.6 ニイウスコー民事再生法申請
父 そう「振り返りくん」はやや長期を一目でみることができるので、ドラマが見える。
今度は赤丸をみてみよう、赤丸は正味損益資金で黒字が増えても、赤字が減っても、赤丸が上昇していることは、企業が資金的に成長していることだ。NIWSCOは2001年から2005年まで上昇し、2006年2007年と下降した。良い企業が積極投資をして下降するのは、未来の⊿Gを獲得するためで赤丸の下降は評価される。しかしNIWSCOの場合は、2006年の大投資が⊿Gを増やすどころか、払込資本金17,846百万円食いつぶす実質損益資金の赤字-22,081百万円の発生となった。その結果真正損益資金は赤字(債務超過)となり次期には民事再生法の申請をしなくてはならなくなった。
緑 ドラマは終わったのね。
水音や民話の里の木下闇
資金会計原論 26.6 ニイウスコー民事再生法申請
2008年5月21日08:07:06
資金会計原論 26.6 ニイウスコー民事再生法申請
緑 B/S―P/L―B/S-P/L-B/S の流れについて説明して、パパ?
父 2006年の規模は2004年の3倍弱になっている。損益資金の伸びは2倍弱である。2期のP/Lを見ても損益資金は小さく特に5/07~6/06期の損益資金は少ない。調達側にある売上仕入資金がこの会社の特徴で売上仕入資金を含め資本金、長短借入金、その他流動資金が固定投資と現金預金を賄っている。何故こんなに多額の現金預金が必要なのか、資金繰りに役立たない(実体のない売掛債権)や中身のない棚卸資産があり、本当は支払う必要のない税金、配当金、役員賞与の支出が次期に予定されているためと思われる。
携帯の着信音や木下闇
(下のグラフをクリックすると拡大します)
}
資金会計原論 27 新銀行東京
緑 新銀行東京の再生プランは都議会の承認を得たようね
父 新銀行東京は資金調達に悩む中小企業を救済することを理念として誕生した。崇高な理念達成のために無担保、無保証で融資をした。無担保、無保証は従来の反省から生まれたもので、新銀行東京の専売ではなく、時流である。
新銀行東京が纏っている銀行という衣は達成すべき理念にたいして合わないものではなっかったかと思われる。なぜ中小企業は資金調達に悩むのだろうか。稼ぎに対して重い借入金を背負っているからだと思う。
通常の返済は減価償却前の当期利益がなくては返済できない。何故かというと借入金は将来の利益を当てにした、換言すれば将来利益の先取りである。
個人が住宅ローンを組む場合、これからの給料や賞与をあてにして、借入額や返済計画を建てる。企業も将来の収益をあてにして借入をする。未来収益の先取りが借入金である。そして正常の返済は未来収益からなされる。
ところが有望な中小企業も収益の伸び悩みから過去からの借入金の重みに耐え切れず、資金面から有望な事業計画も実現できず、切歯扼腕している。まさに新銀行東京の理念は中小企業の実態にピッタリである。
新幹線過ぎ行く音や木下闇
資金会計原論 27。1 新銀行東京
緑 高い理念の実現は大変なことなのね。
父 5月21日のグラフをクッリクして、資金別損益計算書を見てごらん。損益資金以外の項目は損益計算書と関係がないものばかりだ。しかし資金会計では損益資金以外の項目すべてがCash損益計算書の項目なのだ。借入金についてはすでに説明した。償却資産の購入は前払費用で将来減価償却費として回収される。増資は返済不要の収益だ。このような概念から中小企業を生き返らせる手段が見えてくる。
返済可能と思って借りた借入金が収益の伸び悩みで、返済に四苦八苦している中小企業でも、名工をかかえている企業、よい技術や知的所有権をもっている企業、有望な事業計画を持っている企業は資金があれば道が拓ける。新銀行東京が滞りがちな借入金額相当額の増資を引き受け、企業は借入金を返済すれば、企業のフットワークは軽くなる。
田植するメカには強き乙女かな
資金会計原論 27。2 新銀行東京
緑 デッド・エクイティ・スワップ(DES)のことかしら?
父 そう、DESのことだ。企業にとって借入金が資本金に変われば、返済負担、金利負担から開放され、活発に活動できる。増資は返済不要の収益だからだ。新銀行東京は育てるべき有望企業に的を絞ったらDESを先ず実行すべきだ。この場合銀行という名の衣が邪魔になるかもしれない。新銀行誕生の理念を優先すべきだ。的を絞った融資先は銀行の枠をこえて育てることに専念すべきだ。仕入、販売、IT, 人事、法務、経理、特許取得等々あらゆる支援を送って育てる。企業が資金的に余裕ができたら自社株を購入せしめ、新銀行は金利にこだわらない収益を模索できる。
緑 育てて儲けるのね。後発の銀行で信用度の低い融資先を抱えるのだから、銀行の衣だけ着ていたら負けちゃうわね。企業が育てば日本のためになるものね。
羽化したる女生徒跳ねる更衣
資金会計原論 27。3 新銀行東京
緑 でも新銀行に経営のあらゆるサポートをさせるのは大変ね。
父 そうだ。しかし新銀行に設立の理念だけは堅持してほしい、しかも融資先債権が不良債権にならないで、新銀行の収益となるように。ここで最近知ったある試みを紹介したい。日本PlanDoSee指導協会と株式会社ジャコスのアウトソーシング事業部が開発した手法である。中小企業の社長さんには本業に集中していただき、納品書の発行までを手がけてもらう、それ以降の不得手な領域を会計事務所がすべて引き受け、会計事務所は引き受けた仕事をジャコスにアウトソーシングする。以上を整理すると、
① 経営者が最も得意とする販売活動のみに集中し、
② 会計事務所が「販売した代金回収を代行し、同時に販売事務管理一切」を引き受ける。
企業サイドは業務委託する第三者が会計事務所ならば、最高の信頼が持てる。販売という機密データをすべて送信し、管理してもらう以上、会計事務所が最適だ、というものである。新銀行東京―会計事務所―アウトソーシング が輝かしい成果を達成できると思う。
ご関心のある方は
eokui@msa.biglobe.ne.jp までご連絡下さい。そのほか特許取得、人事管理、取引先紹介等、都や新銀行東京が融資先育成のために力を貸せば、鬼に金棒だ。
更衣帯して知りぬ腹回り
資金会計原論 27。4 新銀行東京
緑 新銀行が創業時の理念追及と不良債権化防止という二律背反を克服していくのには銀行という衣にこだわらず、融資先の成長発展にメンターとしての役割が求められるのね。
父 銀行は融資したお金が活きなければ融資は失敗であったことになる。日本には残さなければならない伝統や技術やノーハウ、名工という人間そのものがある。これらが活き活きとして始めて新銀行の存在意義、石原都知事の慣用句を使えばレゾンデトル(raison d’etre)、がある。一年に何人かをマイスタ都民として名工を選び生涯年金受給者として敬意を表してもよいのではないか。
衣更へし小便小僧や心機一転
閑話休題
心機一転してブログに向かおうと思っています。その間日頃感じていることを述べたいと思っています。
ガソリンの暫定税率が廃止され復活しました。諸物価高騰の最中のガソリン¥25/リットル値下げは干天の慈雨となりました。何故あのとき復活なしと宣言できなかったのかと悔やまれます。暫定税率廃止を宣言したら国民は元気がでたでしょう。一般財源化するしないにかかわらず、暫定税率なくしては税収不足を如何ともしがたいことはわかります。しかし復活すれば、法人個人の事業収益が下がり、法人税、所得税の税収不足を招来することも考えられます。レギュラーガソリンが160円になろうとしていますが、暫定税率がなければ135円です。政治はフットワークです。国民の元気が大切です。暫定税率を廃止したら、消費税を含め税体系の本質的な議論に入ることができたのに残念でなりません。共和党のレーガン大統領が大幅減税し、その果実を収穫したのは次期民主党のクリントン大統領でしたが、その古事が頭から離れません。
こし方の麦茶の場面めくりつゝ