資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.6 アーバンコーポレイション
10月4日11:52:02
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.6 アーバンコーポレイション
Cash ⊿G の構成(Uarban Corp)200809.xls(ファイルサイズ:109.5KB)添付ファイルの「
在庫急増」シートをクッリクしてください。
緑 利益を増やすためには棚卸資産を増やす必要があったのね。
父 アーバンの棚卸資産の急増は異常だ。利益は毎期計上されているが、この会社のビジネスは利益を産んでいない。(期末棚卸資産―期首棚卸資産)がプラスなら利益を産み、マイナスなら損失を産む。売上総利益が棚卸資産による利益以下ならばその会社のビジネッスは利益を産んでいないことになる。アーバンがそうである。「在庫急増」シートの「本来のビジネスは利益を産んでいるか」見てごらん。
萩の戸を開けるときめき過ぎしこと
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.7 アーバンコーポレイション
10月6日08:03:15
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.7 アーバンコーポレイション
Cash ⊿G の構成(Uarban Corp)200809.xls(ファイルサイズ:109.5KB)
緑 何故、棚卸資産は増加したのか?の回答は利益を計上するためでいいのかしら。
父 「在庫急増」シートを見てご覧。漸増の売上高に対し2007年と2008年の利益は急増している。こんな売上高からこんな利益を計上できることは不思議だ。
緑 棚卸資産を急増することで捻出した利益かしら。
父 緑、よくぞ指摘してくれたね。棚卸資産をどんどん購入したり、棚卸資産をどんどん製造すれば利益は計上できるんだ。しかし棚卸資産を購入したり、製造するする資金を借入金で賄えば、アーバンのように棚卸資産と借入額とが連動すれば、大変なことになる。
乱れ萩夢二の猫の遊ぶらし
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.8 アーバンコーポレイション
10月7日06:53:44
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.8 アーバンコーポレイション
緑 借入金の返済期間を10年とすると1年の返済は475億円で、利率2%としても95億円で計570億円の負担となります。
父 大変良いコメントだよ、緑。棚卸資産の増加で産まれた利益はビジネスから産まれた利益と性格が異なることを世間では資金会計ほど明確に認識されていないんだ。制度会計では(期末棚卸資産―期首棚卸資産)がプラスであれば利益であるが、資金会計では資金スコアボードの資金別損益計算書を見れば解かるように、棚卸資産増加額は費用なんだ。次期の費用の前払いで費用なのだ。借入金増加額が未来収益の先取りで、収入になるのと同じロジックだ。
乱れ萩昨夜の乱の夢の跡
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.9 アーバンコーポレイション
10月8日09:13:33
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.9 アーバンコーポレイション
Cash ⊿G の構成(Uarban Corp)200809.xls(ファイルサイズ:110.5KB)
父 「在庫急増」シートの[ビジネスの本業は利益を産んでいるか]を見てご覧。特別な事情がなければ適正在庫以上の棚卸資産をつくることは本来のビジネスではない。棚卸資産を増やしただけで、979億円の売上総利益は産まれた。しかし棚卸資産が増減しなかった状態の本来のビジネス成果を見るために、期首と期末の棚卸資産をゼロにして見ると、本来のビジネス成果は売上総損失-653億円であった。両者の合計は
979億円+653億円=1,632億円(棚卸資産増加額)である。
緑 棚卸資産増加額>売上総利益 の場合固有のビジネス損失は 棚卸資産増加額―売上総利益 で計算できるのね。
父 その通り。棚卸資産増加額<売上総利益 の場合の説明別の機会にしょう。
こぼれ萩ボンネットにありしばらくは
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.10 アーバンコーポレイション
10月17日11:22:55
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.10 アーバンコーポレイション
父 今まで売上総利益で在庫増減利益と本当の利益の説明をしてきたが当期利益を二つの利益に分けて考えるのが正しいと気付いたよ、緑。
緑 損益計算書に貸借対照表勘定である棚卸資産勘定が混入した結果棚卸資産増減による損益と本来の収益勘定と費用勘定との差額である本当の損益が混在してるっていうわけ?
父 その通りだよ、緑。混在というより二つの損益が合成されて当期利益になっているんだ。
緑 だから本当の利益は 当期損益―在庫増減損益=本当の損益 で計算できるのね・
浅間路やフォッグランプの灯浮き沈み
閑話休題
10月17日の日経のトップ記事は「日米欧・時価会計一部凍結へ・金融危機封じへ非常手段」でした。今まで投資市場のステイクホルダー達の力関係の強者の理論により会計慣行は変化してきました。今回は金融危機で政治主導の非常手段がとられました。会計のやりかたがコロコロ変わるのはなんだかしっくりしないと思われる方も多いと思います。会計のやりかたで利益が変わり市場が不安になったり安心したりするのは何故ですか?食品に含まれる農薬がXXppmありました。しかしやりかたをかえるとYYppmになりかもしれません。これでは消費者は納得しないでしょう。会計も変わらない成果がみられるものであってほしいと思います。そして時価による成果を見たい方等のための情報を含めた決算報告があればなお好ましいと思います。
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.11 アーバンコーポレイション
10月20日10:27:18
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.11 アーバンコーポレイション
父 10月17日のブログを説明する精算表を挿入した。
緑 二つの利益の一方が赤字の場合もあるので、税引前利益で見るのね。
鳥ならぬ我も惹き寄す烏瓜
アーバン精算表20081018.xls(ファイルサイズ:22KB)
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.12 アーバンコーポレイション
10月24日10:51:24
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.12 アーバンコーポレイション
緑 決算利益を本当の利益と在庫増減による利益とに分けて診る事の意義はわかりました。この技法を実際にどう財務判断に適用するのか教えて下さい、パパ。
父 この技法は今までなかったものだ。それは今まで貸借対照表勘定(棚卸資産勘定)の損益計算書への混入を当然のこととして受け入れてきたために、当期利益も在庫増加による利益と本当の利益との混成利益を当然のこととして受け入れてきたためだ。そのために的確な判断ができなかったことは枚挙に遑がない。その最近の1例が8月に破綻したアーバンコーポレイヨンだ。3月の決算で311億円もの利益を計上したのに、8月に破綻。信じられない!、である。
緑 決算利益311億円は1,632億円の在庫増加による利益があったから計上できたので、本当の利益は赤字-1,321億円だったのね。
紅葉来と春とは違う胸騒ぎ
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.13 アーバンコーポレイション
10月26日10:07:18
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.13 アーバンコーポレイション
父 企業としての実力が巨額の赤字を産んでいるのに、幻の利益である在庫増加による利益と合成されて産まれた決算利益に市場は幻惑されてしまった。何故在庫増加による利益が幻かを考えてみよう。アーバンのように売上高の2倍も在庫を持っていれば次期は商品の手当てをしなくても在庫だけ売っていれば食っていける筈なのだが、在庫増加に伴って増えた借入金や買掛債務の重圧を、赤字体質の本業の実力では支えきれない。アーバンは次期半期決算前の8月に破綻してしまった。
緑 在庫増加による利益が幻であることがよく解かりました。だから在庫増加による利益は配当原資と考えてはいけないし、役員賞与の対象にしてはいけないのね。
烏瓜思い出重ね手繰りをり
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.13 アーバンコーポレイション
10月27日09:00:35
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.13 アーバンコーポレイション
父 企業としての実力が巨額の赤字を産んでいるのに、幻の利益である在庫増加による利益と合成されて産まれた決算利益に市場は幻惑されてしまった。何故在庫増加による利益が幻かを考えてみよう。アーバンのように売上高の2倍も在庫を持っていれば次期は商品の手当てをしなくても在庫だけ売っていれば食っていける筈なのだが、在庫増加に伴って増えた借入金や買掛債務の重圧を、赤字体質の本業の実力では支えきれない。アーバンは次期半期決算前の8月に破綻してしまった。
緑 在庫増加による利益が幻であることがよく解かりました。だから在庫増加による利益は配当原資と考えてはいけないし、役員賞与の対象にしてはいけないのね。
烏瓜思い出重ね手繰りをり
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.14 アーバンコーポレイション
10月28日06:35:24
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.14 アーバンコーポレイション
緑 決算利益を本当の利益と在庫増減による利益とに分けて診る事の意義はわかりました。そろそろ5.12でお願いしたこの技法を実際にどう財務判断に適用するのか教えて下さい、パパ。
父 そうそう。ここで軌道修正しよう。在庫の増減が利益に及ぼす影響は在庫が減少する場合と在庫が増加する場合で違うということを先ず認識してほしい。在庫が減少することは本当の利益が増えること(本当の利益=決算利益―在庫利益)なので、おおむね良い傾向と言うことができる。在庫減少の場合の在庫利益は赤字なので本当の利益は赤字額だけ増える。おおむね良い傾向と言った意味は、売上も減少し、在庫も減少する場合には資金不足を暗示している場合があるからだ。
歌姫のアリア反芻す秋の声
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.15 アーバンコーポレイション
10月29日08:54:20
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.15 アーバンコーポレイション
緑 在庫が増加することは本当の利益が減少することになるのね。
父 そうだ。だから在庫が増加することはおおむね良くないんだ。
緑 だけど売上が増えて必要在庫も増えることもあるんでしょう?
父 だから、おおむねと言ったんだ。売上増加率より大きい在庫増加率には注意いなければならない。
緑 決算利益より在庫増加による利益が大きい場合は本当の利益は赤字になるわね。
父 その通り。本当の利益=決算利益―在庫利益 だからだ。最悪の事態だ。
秋の声巷に不況の声あれど
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.16 アーバンコーポレイション
10月30日09:13:59
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.16 アーバンコーポレイション
緑 実例で在庫利益と本当の利益の関係を説明して、パパ。
父 了解。
1.松下電器産業8年3月期の在庫は851億円減少した。
決算利益2,918億円-在庫利益(-851億円)=本当の利益3,769億円
期末在庫が減ったので、本当の利益がそれだけ増えた。
2.ゼファー 8年3月期の在庫は175億円減少した。
決算利益-114億円-在庫利益(-175億円)=本当の利益61億円
期末在庫が減ったので、本当の利益がそれだけ増えた。しかし売上減少率は-14.7%で在庫の減少は資金状態の悪化を示唆している。
3.GE 6年12月期の在庫は1,032百万$増えた。
決算利益20,829百万$-在庫利益1,032百万$=本当の利益19,797百万$
期末在庫が増えたので、本当の利益がそれだけ減った。GEの場合は良い例です。
3.アソシエント・テクノロジー 7年4月期の在庫は59億円増加した。
決算利益151億円-在庫利益59億円=本当の利益92億円
期末在庫が増えたので、本当の利益がそれだけ減った。しかも在庫増加率は737.5%でした。
これは破綻した悪い例です。
4.スルガコーポレーション 8年3月期の在庫は8,645百万円増加した。
決算利益7,862百万円-在庫利益8,645百万円=本当の利益-783百万円
期末在庫の増加が大だったので、本当の利益が減り、赤字となった。しかも在庫増加率は157.4%でした。これは破綻した悪い例です。
少年の日の隣家今年も吊し柿