資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
11月1日10:48:43
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
緑 棚卸資産の増減が本当の利益には決算利益を軸として減増とPhase(相)が逆になることがわかりました。
父 棚卸資産の増減が所謂意見としての利益なら、本当の利益はCashの利益となる。そのことを踏まえて決算利益みることが大切だ。アーバンの場合決算利益311億円を軸として意見としての利益が棚卸資産増加額1,632億円であり、Cash としての利益が-1,321億円であった。そしてその合成されたものが311億円の決算利益であった。
緑 相を1,2,3,4のマトリックスに展開して説明して、パパ。
新宿の小さき木なれど柿紅葉
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
11月2日10:08:43
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
父 昨日の棚卸資産の増減額を意見としての利益といったのは適切ではなかった。意見としての決算利益を軸として棚卸資産増減による計算上の実体のない損益とCash利益に近付こうとする本当の損益があると言うべきであった。
緑 Cash 利益に近付こうとする本当の損益を見詰めることが大切ね。
父 そうだ。マトリックスのX軸は棚卸資産の減少と増加に分かれる。Y軸は棚卸資産増減の絶対値が決算利益より小さいか大きいかで分かれる。
啄木鳥の太鼓となりしログハウス
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
11月3日13:40:00
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 5.17 アーバンコーポレイション
マトリックス本当の利益81103.xls(ファイルサイズ:17KB)
緑 在庫利益減少がおおむね良く、在庫利益増加はおおむね良くないのね。
父 そうだ。しかし2は売上も減少し在庫も減少し破綻したゼファーのような例がある。本当の利益は増えても火の車のCash状態を窺うことができる。3は全く玉石混交だ玉石を見極める目を持つことが大切だ。1と4は良し悪しの両極にあるので解かりやすい。2は逆粉飾に4は粉飾に利用されることがあるかもしれない。
冬眠前の熊しのびつゝ木の実かな
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6 企業の核が産む儲け
11月10日09:46:19
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6 企業の核が産む儲け
緑 企業の核である固定投資がきちんと儲けを産んでいるかどうかをどうやってみるの?
父 固定投資が企業の核として儲けを産み続けなければ、企業の先は暗い。このことをどんな切り口で語ろうか暗中模索の時を過ごし、ブログの掲載を休んでしまった。近くこのテーマで再開しようと思っているよ、緑。
ちらほらと帯解の娘等神無月
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.1 企業の核が産む儲け
11月15日09:56:44
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.1 企業の核が産む儲け
緑 企業の核である固定投資が企業収益にどう貢献しているかという大きなテーマの切り口は決まったの、パパ?
父 いろいろとしなければならないことが重なって、だいぶ休んでしまったが、どうやら切り口の輪郭が見えてきた。始めは固定投資のコストを減価償却費と考えたんだが、固定投資には償却資産ばかりではなく、土地や投資有価証券等償却資産以外のものがあり、償却自体にも、償却方法の違いや、償却不足や償却過剰の問題もあるので、減価償却費を固定投資のコストとすることは止めにした。
初時雨濡るゝもよしやメトロまで
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.2 企業の核が産む儲け
11月18日09:26:55
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.2 企業の核が産む儲け
緑 減価償却費がコストにならないとすると、コストはどうなるの?
父 企業の実力によって固定投資への原資は、自己資本だけであったり、借入金との混合であったりするが、その原資全部が借入金であったとすると解かりやすい。
緑 借入金の返済年限と同じと考えるのね、パパ。
父 鋭いね、緑、そうなんだ。借入金の返済能力の判定の際に長短借入金の返済年限を10年としたね。そこで固定投資も10年で回収すると考えるのだ。
大根の白さ厳しき予感かな
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.3 企業の核が産む儲け
11月19日09:16:00
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.3 企業の核が産む儲け
緑 なにか実例で教えて、パパ。
父 サンビシ(株)という 名証第2部 2005年(平成17年)11月29日 上場廃止 という会社を例に挙げよう。添付ファイルをあけてごらん。
朝顔の種あの夏の日のことを
サンビシ付加価値20081119.xls(ファイルサイズ:16.5KB)
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.4 企業の核が産む儲け
11月20日10:45:00
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.4 企業の核が産む儲け
緑 企業は儲けを得るために投資をしたからには、企業が生きていくために最低いくら稼げばいいのかしら?
父 いい質問だね。その質問は同時にその企業がいくらの付加価値を稼ぎだしたかを聞いているんだ。
ここでの⊿Gは実質資金の増加額です。合計(A)はサンビシの産みだしたCash利益です。固定投資は2期の平均を用いました。長短借入金返済年限を10年とする慣行に従い、固定投資も10年で償却されると仮定して固定投資平均額の十分の一が企業利益を産み出すエンジンコストであるとし、固定投資が産む受取利息配当金をエンジンコストから差引き、正味コストとしました。10年で固定投資を回収できれば10年後には、次の儲けの種になる新規投資ができます。固定投資の正味コストを上回るCash利益を付加価値としました。企業は少なくとも正味コスト以上稼がねばなりません。4/03期の付加価値はー278百万円で、サンビシの営業活動から得られる収益では肥大した下半身(醤油製造という本業以外の不動産事業)を支えきれなかったということです。4/03期の苦しさが、数字に現れているね。
流れゆく紅葉奥津城は海ならむ
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.5 企業の核が産む儲け
11月23日10:01:56
資金会計原論Theory of Cash by Funds— 6.5 企業の核が産む儲け
緑 固定投資回収期間を10年と見ることは、借入金返済年限と連動しているので、理解しやすいけど、10年で回収するのに厳しい企業もあれば、10年では遅すぎる企業もあると思うけど。
父 そうだね。しかしシステムとしては10年回収としておいて、個々の企業の事情の判断には財務レバレッジが役に立つと思う。半導体の技術革新が激しく、その製造設備は1年後、2年後には陳腐化してしまった。それに対して通常の償却では間に合わないし、1年や2年での設備更新は企業にとって耐えられないので、生産カルテルでも考えなければ事態を乗り切れないのではないかと思っていた矢先、2005年に日立とNECはエルピーダメモリーを立ち上げた。これは極めて自然な流れと思っている。このような業界では10年を5年に変えたり弾力的に運用して欲しい。
林檎磨き陽を置く艶を愛でにけり
閑話休題
サブプライムローンの余波がどんどん広がり世界中が大変なことになっている。サブプライムとは優遇された金利では貸せないが、信用力のない人にもチョット高い金利を提供しようというものです。住宅は裾野が広いので、住宅着工が増えれば、内装や家電等の需要も拡大し、経済成長の引き金になります。一応サブプライムローンのお陰で、住宅着工は伸びアメリカの経済も順調に伸び、日本の自動車などもどんどん売れました。
金繰りに窮してくると貸し手は高金利を要求します。貸し倒れリスクをカバーするために当然のことです。しかし借り手にとっては返済と利子の負担には耐え切れないものです。この高金利のことを英語ではProhibitive Rate ( 禁止的な利率)といいます。禁止的という意味は貸し出しの門を閉じるとはいわないけれど、借りたいとは言い出せないような利率という意味です。それをサブプライムと言い換えると返済可能かということよりマイホームの夢が勝ち、初期の返済条件が緩和されたり甘い蜜に口当たりがよくなり、一気に住宅着工は進み結局世界中の人が苦しんでいます。世界中の苦しみの原因は言葉の響きが甘いか辛いかにかかっていました。
閑話休題―続き
資金繰りすべてが頭に入っている中小企業の経営者は、借入金返済を負債の減少と考えていない。頭の中は「今月の元利合計支払額はいくらということなんだ」ということだ、それは「今月の給料支払額はいくらなんだ」と同じ感覚で借入金返済をとらえている。この感覚は正しいと故佐藤幸利先生はいう。佐藤先生は続けた、「元利合計額のうち、支払利息は経費で、元本返済額は負債の減少とするのは制度会計の約束事だ。」と、佐藤先生は更に続ける。「借入金は未来収益の先取りだから、借入金は収益で、借入金返済は費用である。」と。
この話を聞いたときに頭の中はリセットボタンが押された状態で私の中でこの理論の正当性が構築されたのは10年以上経過してからだった。この話は別の機会にゆずるとして、サブプライムローンで住宅を手に入れようとする人たちが利率いくらで何年償還ということよりも、返済が始まったら元利合計はいくらで、自分達の収入から元利合計を差し引いた残りで生活できるかを見詰めるべきだったと言いたい。言葉は言霊といわれるように、人の想いが込められている。言霊はよい霊ばかりではない、言葉はじっくりと味あわなくてはならない。言葉を味わい尽くせるのは経験を積んだ年長者かもしれない。
閑話休題―続1
サブプライムローンに起因した景気後退のうねりが高まっている。利益追求を至上命題とする資本主義がダンパー(衝撃吸収装置)のないところまで進化した現在、契約社員解雇、新入社員の内定取消しまでして、企業は生き延びようとしている。それは当然なこととして理解できるが、政治主導のセーフティネット対策の具体案が出てこない。資本主義発展段階の往時には不況で失業しても農村がダンパーとしての役割を果たした。農村に金はなくても都会から戻った失業者の最低限の餓えを充たすことはできた。往時の相続は家督相続といって長男がすべてを相続した。他の兄弟にも分け与えると農業が成り立たないほど貧しかったからと思われる。その代わり長男は結婚生活に失敗して戻ってきた姉妹がいても受け入れた。昔の制度に戻れといっているのではない。昔は貧しかったからこそ相互扶助のダンパーシステムが機能していたのだと思う。「灯火近く絹縫う母は春の遊びの楽しさ語る、囲炉裏火はとーろとーろ外は吹雪」懐かしい日本の原風景である。
閑話休題―続2
11月28日の国会での麻生総理と小澤民主党党首との公開討論会を聞いて政治に希望を寄せることはできないと思った。国民不在の政局を腹に納めた討論であったからだ。契約社員のみならず、正規社員までリストラされようとしている。新卒者の内定まで取り消されている。企業が生き残るための当然の行動であろう。しかし失業者達が街に溢れてもダンパー(衝撃吸収装置)のなくなった現在の進化した資本主義経済社会ではCashがなければ1日も暮らせなくなっている。多くの生活保護予備軍が出現しかかっているこの年末の党首討論を聞き政治に頼っていては日本は救われないと思った。