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奥井 英作

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資金会計原論Theory of Cash by Funds 29.6 財務分析からマーケティング戦略へ

2011年5月1日10:27:09

資金会計原論Theory of Cash by Funds 29.6 財務分析からマーケティング戦略へ
緑 今までトップマネジメントは何を羅針盤として経営をしてきたのかしら?
父 鋭い発言だね、緑。いままでは全部原価計算によっていたので、極端な話をすると、売上がなくても工程が進むと仕掛品の評価は上がり利益が出ました。そんな利益はトップマネジメントの羅針盤にはなりません。⊿実質損益資金(Cash利益)が借入金の返済源資であり、配当の原資です、そしてマナジメントは株主(Owner)から役員賞与をいただくことができます。
                   ふんわりと蝶を愛せし人の衣

資金会計原論Theory of Cash by Funds 29.7 財務分析からマーケティング戦略へ

2011年5月2日07:39:56

資金会計原論Theory of Cash by Funds 29.7 財務分析からマーケティング戦略へ
次にトップマネジメントが見詰めるべき指標は資金成長額です。企業は現状の活動を維持するために、メンテナンスを怠るわけにはいきません。また現在の商品の陳腐化に対処するために、次世代商品の開発や製造のために投資活動を怠ることがあってはなりません。これは悩ましい問題で、投資のために多くの資金が出ると資金の成長がマイナスになる期がでます。一時マイナスになる期があっても全体として成長していくことが大切です。陳腐化した非能率な資産の除却も大切です。これら資金バランスを効果的に見せてくれるのが利益計画資金P/Lであり、利益計画資金B/Sの四畳半図です。トップマネジメントにとっての座右におくべき羅針盤です。
                   グラバー邸お蝶婦人の鼓動聴く

閑話休題 ビンラディン殺害で想うこと

2011年5月3日11:28:59

閑話休題 ビンラディン殺害で想うこと
2001年9月11日の同時多発テロの報復は2011年5月1日のビンラディン殺害で一区切りつきました。あくまで一区切りでこれから何が起こるか解りません。私は9,11の何年か前にワールド・トレード・センタービルの屋上に大きなエレベーターに乗って行ったことを思い出します。連れのニューヨーカーは下界を見下ろしながら
“Look!down below, that’s Battery Park”(下をご覧、あれがバッテリーパークだよ)、私は”No thanks”といって屋上の中央にいました。通り過ぎる観光客はニコニコ笑って通り過ぎていったことが、昨日のことのように思い出されます。
9.11の直後、色んな意見が報道番組を賑わしました。定かな記憶ではありませんが、たしか瀬戸内寂聴氏だったと思いますが、“許すもののみ許さるゝ、兎に角許すことです。これは無間地獄から開放される唯一つの道です。”と言われました。許すことは理解できても実行はなかなかできません。許さなくては結局自分が許されないのです。

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月13日09:17:12

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30  富士バイオメディックスの粉飾
緑 2011年5月9日 日本経済新聞 31面と同誌5月11日の35面に富士バイオメディックスの粉飾の大きな記事が出たわね。
父 この事件でいつも感じる大きな憤りは第三者割り当て増資で一般の投資家が大きな被害を受けたことです。一般の投資家保護のために色々な対策が講じられたのに機能していません。更に今回の粉飾は「粉飾アレンジャー」と称する粉飾のプロが粉飾のコーチをしたことです。こんな事態に対処できるのは、Cashに裏打ちされた資金別の資金バランスを読み解くCashmirrorに頼るほかはありません。
               目に見へぬ放射能のこと薄暑かな

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.1  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月15日22:41:03

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.1  富士バイオメディックスの粉飾
緑 ニュー資金別貸借対照表で資金バランスを説明してください。
父 添付ファイルFuji BaoMedi ニュー資金.xls(ファイルサイズ:28KB)を開けてください。名古屋証券取引所セントレックス市場に上場していた医薬品開発支援会社富士バイオメディックスは2008年10月民事再生法の適用を申請して倒産しました。2008年民事再生法適用申請までの3期の売上高は120億円、182億円、295万円と素晴らしい伸びを示しています。我々は正味損益資金に注目します。正味損益資金は自己資金だけで営業活動をし、現状を維持し、将来の利益を確保するための固定投資までをした結果残った自己資金額を示しています。黒字ならば、無借金でくることができたということです。多くの企業は赤字でしょう。運転資金を借りたり、投資資金を借入金で調達するからです。正味損益資金は赤字でも構いません。赤字が減っていくことが大切です。新規投資をした期は赤字が増えるのは仕方ありません。増減資額を排除した資金の成長が大切です。このような視点で富士バイオメディックスを見てみましょう。
               紫のアメリカ産のさくらんぼ

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.2  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月18日09:27:59

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.2  富士バイオメディックスの粉飾
緑 2006/5期~2008/5期の売上は輝かしい伸びを示しています。それに反比例して正味損益資金の赤字は増えています。このような状態が粉飾の誘引になっているのね。
父 その通り。正味損益資金の赤字は少なくともその赤字額の借入をしなくては生きていけません。富士の場合増資額を調整した資金成長額が-82億円と惨めな姿です。増減資額を調整するのは、増減資の資金の動きは事業活動の成果として得たものではないからです。正味損益資金額は財務諸表のどこにも表れませんが、経営者は惨めな財務諸表になることを自覚して、それを糊塗するために粉飾にはしるのです。粉飾をしてもしなくても正味損益資金は変わりません。ただ損益資金、売上仕入資金、棚卸資産、固定投資の姿が変わるだけです。その結果資金間のアンバランスが生まれます。
               さくらんぼおかっぱの姉眼間に

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.3  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月21日15:02:28

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.3  富士バイオメディックスの粉飾
緑 正味損益資金の赤字額を大幅に超える借入金には注意を払う必要があると思うのだけど。5月15日に添付したファイルは最下行の1行上の借入超過額(修正安定資金)に誤りがあったので、ここに添付したファイルをお開きください。Fuji BaoMedi ニュー資金.xls(ファイルサイズ:28KB)
父 大変良い指摘だ、有難う、緑。2008/5期は60億円もの超過借入額があります。これはその他流動資金の70億円に当てたもので超過借入額をも超えています。これは未収入金52億円とその他流動資金17億円との合計額です。借入超過額を更に超えた10億円と現金預金はその他流動負債27億円で賄われました。その他流動負債の中身は外部のものには解りませんが、監査人は追求できます。新聞報道によれば未収入金回収のめどが立たなくなり破綻の引き金になったと報じています。「あらゆる異常は監査の入口です」と我国監査の草分けである公認会計士 故 橋本祐次先生は口癖のように申していました。異常を的確に掴むための有力な武器が、Cashmirrorです。修正安定資金が赤字のときは、調達側の預り金、未払金、その他でバランスを取らねば必要現金預金を残すことができないので、切迫した危機を暗示している場合があります。修正安定資金の状態には注意が求められます。 
                  子は総て女の子とか薔薇離 

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.4  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月23日09:08:25

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.4  富士バイオメディックスの粉飾
緑 前回の俳句の「薔薇離」は「薔薇籬」とすべきだったのでしょう?パパ。
父 大変なミでした。有難う、緑。
緑 今回の分析は粉飾をしてもしなくても変わらない正味損益資金から話が始まりましたが、正味損益資金から上の話もしてくださらない。
父 了解。2008/5期は赤字を出していますが、それは特別損失に貸倒引当金17億円と暖簾償却額9億円を計上したためで、経常利益は前期の2倍弱の15億円を計上しています。2007/5期の実質損益資金(Cash利益)は赤字ですが赤字は8億円減少しています。それは売掛債権が8億円減ったためです。棚卸資産は9億円増えているので本当の利益はー6億円(当期利益3億円-棚卸利益9億円)でした。2008/5期の本当の利益は-34億円(当期利益-23億円-棚卸利益11億円)でした。実質損益資金(Cash利益)は-41億円で増資前の資本金等47億円の殆どが無くなっていたことになります。輝かしい売上高の伸びからは信じられない資金状態の悪化が起きています。Cashは嘘をつきません。粉飾以外のなにものでもありません。
                  佇めばショパン漏れ来る薔薇籬

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.5  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月24日07:36:34

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.5  富士バイオメディックスの粉飾
緑 2007/5期と2008/5期には増資をしています。増資をするさいには、増資資金の使途が示されます。例えば「XX億円は設備投資に、残金は運転資金に等々」です。しかし「累積不足資金の補填に」などと書かれる事は皆無でしょう。しかし増資で得た資金は先ず累積不足資金の補填に充当されるので、設備投資等に回される資金は不足します。そこで借入金に頼るので、資金繰りを圧迫する悪循環がおきます。富士は2008/5期64億円の増資資金がはいりましたが、41億円は実質損益資金の赤字補填で消えてしまったので、42億円の固定投資に使えるお金は23億円しかなく、長期借入金に依存し資金繰りを圧迫しました。実質損益資金が黒字の会社なら、固定投資のために23億円を増資資金で賄い、19億円を長期借入金に依存することは正常な行為なのですが、実質損益資金が赤字で、資金成長額が-82億円の会社がやれば次期にはひたひたとそのしわ寄せがやってきます。一般投資家を保護するために公認会計士による監査制度ができているのに機能してないのは残念なことです。
                 走り回る犬の気配や薔薇籬

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.5  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月26日10:00:57

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.5  富士バイオメディックスの粉飾
緑 2007/5期と2008/5期には増資をしています。増資をするさいには、増資資金の使途が示されます。例えば「XX億円は設備投資に、残金は運転資金に等々」です。しかし「累積不足資金の補填に」などと書かれる事は皆無でしょう。しかし増資で得た資金は先ず累積不足資金の補填に充当されるので、設備投資等に回される資金は不足します。そこで借入金に頼るので、資金繰りを圧迫する悪循環がおきます。富士は2008/5期64億円の増資資金がはいりましたが、41億円は実質損益資金の赤字補填で消えてしまったので、42億円の固定投資に使えるお金は23億円しかなく、長期借入金に依存し資金繰りを圧迫しました。実質損益資金が黒字の会社なら、固定投資の内23億円を増資資金で賄い、19億円を長期借入金に依存することは正常な行為なのですが、資金成長額が赤字-82億円の会社がやれば次期にはひたひたとそのしわ寄せがやってきます。一般投資家を保護するために公認会計士による監査制度ができているのに機能してないのは残念なことです。               
                 走り回る犬の気配や薔薇籬

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.6  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月27日08:49:16

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.6  富士バイオメディックスの粉飾
緑 粉飾は何時ごろから行われていたのかしら?
父 上場直前期(2005/5期 第21期)から2007/5期までの3期のニュー資金別貸借対照表(緑色の見出し)を添付したので開いて下さい。Fuji BaoMedi ニュー資金.xls(ファイルサイズ:47.5KB)上場直前期にも拘わらず実質損益資金はー7億円で9億円の損益資金が2億円しか残っていません。真正損益資金(オーナ持分)は3億円で払込資本金10億円が三分の一になっています。こんな会社が上場して市場から増資資金を集めて大丈夫なのでしょうか?
                 老夫婦紫陽花煙る湯のなかに

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.7  富士バイオメディックスの粉飾

2011年5月30日09:09:55

資金会計原論Theory of Cash by Funds 30.7  富士バイオメディックスの粉飾
緑 昨日添付したファイルの水色のシート名の「その他データ」を開けて下さい。
父 ここで富士バイオメディックス倒産を纏めてみましょう。
売上高は2005/5期の105億円から2008/5期の295億円と4年間で約3倍になりましたが、資金成長額は合計-214億円で、その内増資資金で補填された101億円を差引いても113億円の資金悪化です。2008/5期のその他流動資金の増加額(未収入金)51億円が回収不能となり倒産しました。監査人は修正安定資金の内容の吟味を忘れてはなりません。粉飾チェックは4期間を通して横八の字粉飾型です。
粉飾をしてもしなくても変わらない数字が正味損益資金です。ということは粉飾をしない決算があまりにも惨めなので化粧をしました。売上高など良い数字がでましたが、ニュー資金別貸借対照表を作ってみると正味損益資金は粉飾前と同じになり資金バランスの不均衡が露見します。倒産の引き金になった未収入金も架空のものであったかも知れません。修正安定資金から下のその他流動資金によるやり繰りは正味損益資金から上のやり繰りと別次元のものと理解して下さい。格付は粉飾のためにやや良い値が出ていますが、資金状態は真っ赤でCashmirrorの複眼で見詰めてください。倒産シグナルは2007/5期から倒産を警告しています。
                     青梅や氷砂糖もリカもあり

閑話休題 想定を超えるということ

2011年5月31日09:08:52

閑話休題 想定を超えるということ
福島I原発の事故で想定外の津波の高さや震度の大きさが事故を不可抗力化するために語られています。しかし原爆事故は発生したら先ず当面する困難は放射能のために現場に近づけないことです。この困難が解決されていたら的確な対策がとられ、被害を小さくできた筈です。問題は津波の高さや震度の大きさの問題ではなく、一度事故が発生した場合の現場の放射能対策が効果的に実行できるかということです。フランスはロボットを連れてきました。日本にもある瓦礫に立ち向かうロボットです。米軍は無人飛行機を飛ばし、上空から現場を撮影しました。無人飛行機の競技は日本でも度々行われています。ロボット先進国日本は総てを持っているのに、原発の放射能対策としてロボットを使う発想が無かったことが残念でなりません。日本のロボットは受付嬢であり、自転車を自由に乗りこなすエンターテイナーであり、無人工場の有能な工員さんでした。日本のロボット達は千年に一度の大災害に活躍できなかったことを嘆いていることでしょう。手術も遠隔操作で出来る時代なのに・・・・