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奥井 英作

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資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  原点回帰

2011年11月1日10:29:20

資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  原点回帰
緑 橋本先生の食パン理論は動態論をビジュアルに示しているのね。又、橋本先生はあらゆる勘定の墓場はCashであると喝破されました。シュマーレンバッハが「未」の概念で説明した貸借対照表をCashという墓場に至るまでの仮の姿と説かれました。けだし卓見です。売掛金は受取手形に姿は変わることがあっても次の姿はCashです。資産、負債、資本はCashの墓場までの仮の姿です。貸借対照表はCashが残高の現金勘定です。損益資金、売上仕入資金等資金別の残高の合計がCashとなります。Cashは直ぐに使えるケンナマです。嘘をつかないCashに支持された資金バランスは騙されないのです。
                大根引尻餅つきし空快晴

資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  大王製紙

2011年11月4日11:10:52

資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  大王製紙
緑 今話題の大王製紙について資金バランスの視点から説明して下さい、パパ。
父 添付ファイルを開けてPrintData (4).xls(ファイルサイズ:133.5KB)、特にグラフを眺めながら読んで下さい。資金別損益計算書グラフは実数のグラフがペチャンコで見づらいので、10倍に拡大してあります。大王は国庫補助金を特別利益に2011年3月期は6億円計上しています。それなのに大王は当時の井川意高社長に50億円の長期貸付金を計上しています。50億円の内35億円の返済期限は10年超です。23年3月の決算日から3月以内に更に意高氏は60億円の貸出を受けているようです。そんな会社の資金バランスを見たくて、2009年3月期から2011年3月期までのデータをCashmirrorにインプットしてみました。
  大王の資金バランスの特徴は 「Cash>損益資金」 です。破滅に向かうパターンです。
「Cash>損益資金」 でも成長型があります。医療機関向け人材派遣業SMS(9月19日の添付ファイルをご覧下さい)のように実質損益資金(Cash利益)が豊富な企業は例外です。大王のように実質損益資金(Cash利益)が赤字で「Cash>損益資金」 の型は破滅型です。
  2011年3月期の資金状態を見てみましょう。グラフをご覧下さい。売上仕入資金と棚卸の合計額が損益資金額より大きく資本金の三分の1が無くなっています。
  自己資金で固定投資まで賄った自己資金の残高は赤字(赤字は異常を示すものとはかぎりません。赤字でも赤字が減ることが大切です)-3,470億円で、借入金で埋めなければ倒産します。長期借入3,959億円をして安定資金が黒字489億円となりました。安定資金が黒字なのに623億円の短期借入をして修正安定資金は1,112億円になりました。更にその他流動資産188億円を得てCash1,300億円を残しました。その結果 Cash1,300億円>損益資金756億円となり破滅型となりました。Cashは当座の必要額を保有するもので、決算日後社長に貸出した60億円も資金計画に入っていたのでしょう。グラフから解かることは、Cashは短期借入金、その他流動資金と長期借入金の一部から成り立っています。監査人は3期も連続して破滅型となっている原因を追究すべきであったと残念でなりません。
                  ロープウエイ野山の錦より湖へ

資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  オリンパス

2011年11月9日11:39:37

資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.4  オリンパス
緑 今話題になっているオリンパスの資金状態についても説明して下さい、パパ。
父 オリンパスはM&Aに絡み斡旋業者に多額の報酬を支払ったことについて疑惑が生じ、話題となっています。私は若い頃、随分胃カメラのお世話になったので、そのメーカーであるオリンパスには親しみを感じていました。
  下記の表をご覧下さい。「Cash>損益資金」のルールに触れないのは2009/3期ですが、殆ど「Cash=損益資金」です。奇しくも大王製紙型に近付いています。

単位:億円

2009/3期

2010/3期

2011/3期

損益資金

1,429

2,060

1,862

Cash

1,369

2,068

2,135

実質損益資金

-591

228

33

2010/3期と2011/3期のグラフのCashの調達側をご覧下さい。短期借入金が丸々Cash
として残っています。その他(超短期資金)が丸々資金バランスをとるのに使われています。資金繰りがタイトのようです。おまけに長期借入金の一部もCashを残すのに使われています。添付ファイルを開けて下さい。Olympas SB.xls(ファイルサイズ:135KB)
資金別損益計算書は実数を使うとペシャンコで、その期のCashの増減額形成の過程が解からないので10倍に拡大してあります。この稿を書いている最中、11月9日の日経のトップ記事は“オリンパス損失隠し、含み損最大1000億円超”でした。
              代々の当主ダブらせ炉を開く 


資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.5  オリンパス

2011年11月20日12:07:00

 資金会計原論Theory of Cash by Funds 32.5  オリンパス

オリンパス(連結) データー・ハイライト

単位:億円

2006/3

2007/3

2008/3

2009/3

2010/3

2011/3

売上高

9,781

10,618

11,289

9,808

8,831

8.471

当期利益

285

477

579

△1,148

478

75

 

Y

Y

 

 

Y

Y

損益資金

1,544

1,905

2,622

1,429

2,060

1,862

実質損益資金

△205

81

414

△591

228

33

正味損益資金

△3,511

△3,475

△6,334

△8,201

△5,415

△5,055

固定投資

4,616

4,876

8,076

6,897

6,753

6,150

Cash

1,657

2,165

1,582

1,369

2,068

2,135

長短借入金

4,574

4,753

6,607

6,661

6,672

6,576

格付    

-2R

±0Y

-4Y

-1R

+1Y

+1Y

Y:Cash>損益資金

緑 あれから連日マスコミはオリンパスのことを報道しているわね。Olympas SB.xls(ファイルサイズ:168KB)
父 20世紀末から始まった投資損失を消す苦悩を探るべく、EDINETで資料を得ようとしましたが、2006年3月期までしか遡れませんでした。気力があればそれより以前の資料を求めて東京証券取引所等に出向くつもりです。先ずオリンパスの2006年3月期から2011年3月期までのデーターハイライトを作ってみました。
   2006年から2008年は前世紀末の1千億円超の財テク損失をタックスヘイブンにあるケイマンファンドに「飛ばし」したのを穴埋めするための3期でした。2006年3月期と2007年3月期は「Cash>損益資金」の破滅型でした。この多額のCashは短期借入金と超短期流動資金をやり繰りした原資で賄われました。そしてそのCashは次の期には固定投資に投入されました。固定投資の主な勘定は「のれん」でした。2008年3月期の格付はー4Yと危機的な値を示しています。2009年3月期は2008年9月のリーマンショックの影響もあり正味損益資金は2006年3月期の△3,511億円から△8,201億円と4,690億円のマイナス成長となり翌期から「Cash>損益資金」型がはじまりました。オリンパスの場合は資本金に大きな変化がないので、正味損益資金の比較だけで、自己資金の成長・衰退を知ることができます。
   2010年3月期から「Cash>損益資金」が復活しました。2010年3月にはジャイラス買収をめぐり、ファイナンシャル・アドバイザーに4億4千万ドルを支払いました。「Cash>損益資金」型が発生するのは、業績が下降し、近未来に多額のCash流出が予定されている非常に危険な状態で、その意味で破滅型ととらえています。
   粉飾チェックをみてみると、2006/3~2008/3期は横八の字の粉飾型です。2007/3~2009/3期は上の線が下降型で粉飾型ではありませんがジリ貧型でしかも正味損益資金(自己資金)は急降下していて、危機状態です。2009/3~2011/3期は上下の線とも上昇傾向にありますが、「Cash>損益資金」型がでているので、近未来に大きな支出が隠れているかもしれないので、気を許すことはできません。
               大根干す長き冬場はすぐそこに